短刀 (附)黒漆塗家紋蒔絵合口短刀拵 |
守り刀をお納めさせていただくまで、兵庫県からは遠方のご依頼主様であったため、お顔を拝見することなく、お電話やお手紙で何度もやりとりさせていただきました。
話を煮詰めていく中で、ご依頼主様から、行く行くはお孫さんの(女の子)守り刀にしたいと伺いましたので、刀の種別、拵えのイメージも固まり、製作に取り掛かりました。
完成までに一年半を要しましたが納得のいく作品に仕上がりました。
茎(なかご)の銘には季語とご依頼主様と私の思いを掛け合わせ、「天高」と切らせていただきました。
ようやく守り刀が完成し、ご依頼主様が遥々鍛刀場にお越し下さいました。
ご依頼主様は、「私はあなたの顔もテレビで拝見しましたし、電話と手紙からあなたの事は良く解っています。」
とおっしゃって下さり、大変嬉しく感じた事を憶えています。
お孫様の健やかな成長を心より願い、そして、凛とした素敵な女性になられた頃、お孫様にもお会いできる日を楽しみにしています。
Tanto along with Koshirae completed in 2011.
I created a Tanto for the customer's grandchild who was still a cute kindergarten girl.
This Omamori Tanto has the customer’s feeling of praying for his grandchild’s healthy growth and a hope that the sword will protect her in her life.
There are family crests on lacquered Saya. Menuki is shaped “Boar” in twelve signs of the Chinese zodiac.
平成24年 太刀 |
銘
表 播磨國住 高見 國一作之
裏 平成壬辰年 春暁
撮影:Kei NAKAMURA, Spare Time Studio